今日は、学校帰りに髪を切りに来てくれた高校生、ある男の子との心温まるエピソードを話したいと思います。
彼が初めて美容室に来てくれたのはまだ小学生の頃。 それ以来、ご家族みなさんでご利用頂いていて、彼の成長を見守りながらカットさせてもらってきました。青年に育ち、今日も元気いっぱいの「こんにちは!」とあいさつをしてくれながらご来店してくれました。
これまで、彼とは深い話をする機会があまりなかったのですが、今日は特に自然に会話が弾みました。 高校に入り、バスケット部で充実した毎日を送っていること、「うちのバスケ部は本当にみんな仲が良いんですよ。 いじめや嫌なことなんて何もないです」と語る彼の表情には、信頼し合う仲間への誇りと安心感が溢れていました。
そんな彼も時々、理不尽な経験に耐える事があるのです。 つい最近、朝の挨拶をしたのに、先生から「声が小さい」と叱責されたこともありました。朝のいつもの挨拶だったのに、なぜ叱られたのか理解できず、少し戸惑ったといいます。 彼はその時の気持ちをお母さんに相談したそうです。
「そういう理不尽の事なんてこれからいくらでもあるよ。気持ちを切り替えていつまでもカリカリしてるよりいいよ」とアドバイスを受けたそうで、彼はその通りだと思ったそうです。そのおかげで、理不尽さを感じても気持ちを上手に整理できるようになったことでイライラすることが少なくなったそうです。
私は「大人だなぁ」って思いました。
そして「お母さんになんでも相談するの?」と聞くと、彼は中学のときのエピソードを話してくれました。
バスケットの練習中に、彼の不注意で先輩が怪我をしてしまい、それ以来、その先輩から冷たい態度を取られたり、いじめに近いような扱いを受けたようになったことがあったそうです。先輩とは小学校からミニバスケットで同じクラブでやっていたのでご両親もその先輩のこともよく知っていたのに・・・
彼は悩みながらお母さんに相談すると、すぐに先輩の家に連絡をし、やめてほしいと伝えてくれたそうです。そのおかげで、先輩の態度は変わり、いじめもなくなりました。
彼にとって、お母さんは何があっても自分の味方でいてくれる存在です。いつでも相談できる安心感と信頼が、彼の強さになっていることがすごくわかりました。
その姿を見て、もし自分だったら、同じように行動できたのだろうかと考えさせられました。
自分だったら・・・
「先輩をケガさせちゃったんだから少しくらい我慢しなさいきっとすぐに収まるから・・・」などと、根拠のないその場しのぎの回答をしてしまうような気がしました。
そのいじめに似た体験から「いじめはしない」と更に心に誓ったそうです。
彼が人に愛されて、親しみやすい理由が、今日の会話からよくわかりました。
自分を支えてくれる存在があるからこそ、彼も周りに素直で優しい心で接しているんです。
彼から教わった「素直な心と信頼関係の大切さ」を、私も日々の仕事の中で大事にしていきたいと思いました。
ありがとうございました。
カミキリベヤ
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